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東海大望洋vs専大松戸


春のリベンジを果たした長友(東海大望洋)
全国で学んだ東海大望洋の147km右腕、長友が見せた最高の一球
理想通りの一球が最高の場面で出た。専大松戸に1点を返され、さらに2死3塁のピンチを背負った7回表。東海大望洋のエース、長友昭憲はセンスあふれる1年生の1番・永濱秀紀を2-1と追い込むとアウトローへこの日最速となる146kmの直球を投げ込んだ。
3回の第2打席で中越え二塁打を打っていた永濱だったが、このボールに対しては手を出すこともできず、見逃し三振。長友は取り組んできた練習の成果を披露した一球でエースの役割を果たした。
ともに初となる夏の甲子園出場を目指す専大松戸と東海大望洋との千葉準決勝。
専大松戸はこの日MAX143kmを記録した林田かずなと鋭く落ちるフォークなど多彩な変化球と重い直球を操る上沢直之の2年生コンビ中心に勢いがあり、東海大望洋は今春のセンバツを経験した長友が140km台の直球で相手打線をねじ伏せにかかった。
好投手たちの投げ合いを6-2で制し、夏の甲子園出場に王手をかけたのは東海大望洋。特に相手に流れが傾きかけた7回のピンチを三振で切り抜けた長友に成長の跡がうかがえた。
この日の長友は決して内容がよかった訳ではない。身長173cmと決して長身ではないが、競輪選手並みのがっしりとした下半身から繰り出される重い直球とブレーキの利いたスライダー、フォークで相手を討ち取っていく本格派の長友だが「スピードで押していこうとした」直球を狙い打たれ、3回には専大松戸の永濱に中越え二塁打を浴びて失点。
4回にも5番重野雄一郎と6番大山星也に連打を放たれた。被安打12で9失点したセンバツの大阪桐蔭戦の借りを全国で返すために原点に戻って練習に取り組んできた本人も「きょうのピッチングでは全国では勝てない」と満足していなかった。
ただ、「敢えてよかったところを挙げるとすると?」の問いに迷わず応えたのが冒頭の一球についてだった。「あの場面で、あのコースに、あのボールが投げられたことはよかった」。
大阪桐蔭戦では、MAX143kmの直球で押しこんだ長友だったが、高めのボールを次々とヒットゾーンへと運ばれた。「低めにきっちり投げられなければ、速いだけでは全国では通用しない」。
だからこそ練習から意識改革してきた。この夏へ向けては投げ込みでも打者をつけて低めへの制球をしっかりと意識。これは試合でも実践され「ムダ球」は減少傾向にある。「完璧とはいいきれない」と苦笑するように制球の安定感は目標値までまだ達していないようだが、それでも痛打を浴びれば勝敗の行方が分からなくなる重要な場面で狙ったところへ、力のある最高のボールを投げられたことは課題克服へ取り組んできた成果を発揮したと言い切っていいだろう。
癖のないフォームからテンポよく、淡々と投じる長友だが「(春にKOされている専大松戸戦ということで)身体からアドレナリンが出ていた」と振り返ったように負けず嫌いな性格。
この日披露した最高の一球を常に狙った場面で投じられるように、そして全国大会のような大舞台で勝てる投手を目指して貪欲に自分を磨いてほしい。
(文・=吉田 太郎)
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